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掲載日:25.04.02
NEDO/量子コンピューターの利活用事例集~積載やルートの最適化を実証
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、日本国内の量子コンピューターのビジネスでの利活用を目的に、国内公的機関として初めて、量子コンピューターの「ユースケース事例集」を作成・公開しました。6つの産業領域と3つの技術領域の56事例について紹介しており、このうち交通・物流領域から、物流ルートの最適化や積み荷の最適化など13事例が含まれています。
「航空貨物の配置最適化」は、Airbusを例に実施された事例です。航空機のペイロード(有償荷重)能力を最大限に活用し、運用コスト(燃料燃焼)の削減に向けてパラメータの最適化を訴求しました。最も重要な制限は、航空機の最大積載量、搭載された航空機の重心位置および機体のせん断限界(モノが切断される方向に力が加わる)です。実証では、3種類の仮想コンテナを含む運行上の制約条件を満たす積載可能な最大重量を持つ最適な配置を抽出しました。
古典コンピューターで量子回路に影響する入力パラメータを選択すると、量子コンピューターで制約を満たす配置の振幅が増幅され、結果が再度古典コンピューターに送られ評価されます。このプロセスを反復し、最終的に運用可能な配置が最大振幅の状態として抽出されました。
「倉庫内の部品集約作業における移動距離短縮」は、富士通ITプロダクツの倉庫で実証された事例です。保管されている部品数3000点でピッキングの最適動線を算出し、シンプルな一筆書きの動線をタブレット上に可視化しました。その際、デジタルアニーラ(組み合わせ最適化を高速で解く技術)の活用可能性について検討しました。実証の結果、部品を集める移動距離が人手と比較して月あたり20%減少し、さらに棚の位置を再考することで45%までの減少が見込まれました。
「大規模物流効率化」は、トヨタシステムズが実施した事例です。300万以上のルート候補から最も物流コストが小さくなるルートを30分以内で算出しました。ここでの物流コストは、トラック数、総走行距離、荷物仕分けの作業量から算出したものです。