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掲載日:25.04.02
日商・東商調査/最低賃金引上げの影響、運輸業の9割が「負担感」~政府目標への引上げでは事業継続に懸念も
日本商工会議所と東京商工会議所は、「中小企業における最低賃金の影響に関する調査」結果を公表しました。中小企業にとって2024年の最低賃金の負担感は大きく、今後「新たな政府目標」どおりに引上げが行われた場合には「収益悪化により、事業継続が困難」とする回答は全体で15.9%、特に労働集約型産業で高く、運輸業では23.2%と2割を超えました。
この調査は1月から2月にかけて実施され、回答企業数は3958社でした(うち運輸業は153社、従業員20人以下の小規模企業は1619社)。
2024年の最低賃金引き上げにより、「最低賃金を下回る従業員がいたため、賃金を引き上げた」企業は44.3%、地方では46.4%と半数近くに達しました。特に運輸業では高く、56.2%と半数を超えました。パートタイムの賃金引き上げは64.0%で、正社員も58.1%に達しました。
現在の最低賃金の負担感について、「大いに負担」「多少は負担」と回答した企業は合計で76.0%と8割近くの企業が負担であると回答しました。運輸業に限ると90.2%と跳ね上がります。運輸業は「大いに負担」が32.3%、「多少負担」が43.7%となりました。
最低賃金に関する新たな政府目標「2020年代に全国加重平均1500円」に対しては、「対応は不可能」(19.7%)もしくは「対応は困難」(54.5%)と回答した企業は合計で7割を超えました(74.2%)。運輸業では「対応は不可能」が23.5%、「対応は困難」は60.8%となり、いずれも全体平均より高い結果となりました。
政府目標どおりの最低賃金引上げが行われた場合(7.3%、89円)の影響については、「人件費以外のコストの削減」が約4割で最多、「残業時間・シフトの削減」、「他の従業員の賃上げ抑制、一時金等の削減」、「従業員数削減・採用抑制)」が2~3割で続きます。また、「収益悪化により、事業継続が困難(廃業・休業を検討する)」とする回答も15.9%と1割を超えました。運輸業では2割を超える23.2%が「事業継続が困難(廃業・休業を検討)」と回答しました。