物流用語に強くなろう:
掲載日:25.03.05
スワップボディ(Swap Body)
着脱式の荷台のこと。一般的なトラックは、車体と荷台が固定された一体構造となっていますが、スワップボディは、車体に標準装備されたエアサスペンションにより、自力で荷台を分離できるという特徴があります。
荷台の脱着方法(切り離し)は、①エアサスペンションを最高位まで上昇させ、②スワップボディコンテナから支持脚を引き出し、固定させます。③車体とコンテナの緊締装置を解除し、④エアサスペンションを最下位まで下降させ、⑤車体を前進させて、荷台部分を切り離します。したがって、トレーラーとは異なり、けん引免許は必要ありません。
スワップは「交換」の意味。もともとは鉄道輸送で軌道の異なる路線に乗り入れる場合にスムーズな接続ができるよう、1960年代のドイツで開発されました。
近年では、トラックドライバー不足解消の有効な手段として注目されています。主として「荷役分離による待ち時間の削減」を目的に開発されており、荷台を分離した後、車体が別の荷台(コンテナ)を輸送することができるため、トラックの稼働率向上、ドライバーの荷待ち時間を解消することができるほか、ドライバーが荷役作業を行う必要がなくなります。荷待ち時間・荷役時間が大幅に短縮されるほか、荷役分離により、女性や高齢ドライバーの負担も軽減されます。物流センターにおいては、車体の到着前に荷役作業を実施することが可能となり、効率的な運用を図ることができます。
また、中継輸送の方法のうち、「トレーラー・トラクター交換方式」とほぼ同じ方法で活用できます。荷物を乗せ換えることなく折り返し運行できるため、日帰り勤務が可能になります。スワップボディコンテナ車両を使用した場合、トレーラーよりも積載量は減少しますが、けん引免許が必要なく、荷台部分の車両登録が不要であり、取り組みやすい方法です。
スワップボディ方式は、過去にもトライアルされましたが、車体と荷台が相互利用できる標準的な仕様がなく、異なるメーカー間では脱着することができなかったため、普及には至りませんでした。このため国土交通省が2019年に「スワップボディコンテナ車両 利活用促進に向けたガイドライン」を策定し、効率的な管理・運用方法を示しました。
スワップボディコンテナ車両(日本自動車車体工業会の資料より)