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掲載日:25.02.05
公正取引委員会/労務費転嫁交渉指針に係る注意喚起文書を交付
~トラック業は346社に交付
公正取引委員会は、「令和6年度価格転嫁円滑化の取組に関する特別調査」の結果を公表しました。「労務費転嫁交渉の指針」を知っていたと回答した発注者のうち、指針に沿った行動を採らなかった発注者9388名に注意喚起文書を交付しました。このうち道路貨物運送業は43業種中9番目に多い346名に達しました。
調査は11万名に実施しました。労務費転嫁交渉指針を「知っていた」と回答したのは全体で48.8%。指針を知っていて価格転嫁の引き上げを行った割合は51.8%、指針を知らなくて引き上げを行った割合は38.9%でした。
労務費上昇を理由とした取引価格引き上げの求めに応じて、すべての商品・サービスについて価格協議をした割合は59.8%と高く、「多くの取引について価格協議が行われる」ようになっています。一方で、労務費の転嫁率の状況をサプライチェーンの段階別に集計すると、一次受注者、二次受注者と段階がさかのぼるほど転嫁率は低くなり、価格転嫁が十分に進んでいない状況が明らかとなりました。
労務費価格交渉指針に沿った行動を採らず注意喚起文書を送付された業種で最も多いのは情報サービス業の728件、次いで協同組合482件、総合工事業434件となっています。道路貨物運送業は346件、倉庫業は113件でした。
発注者に対する買いたたきの禁止など「独占禁止法Q&A」にかかわる注意喚起文書の送付は6510名。このうち道路貨物運送業は13番に多い132件でした。
受注者がすべてのサービスについて発注者に価格転嫁を要請した割合は、全体では30.8%です。道路貨物運送業では33.0%と比較的高く、「全く要請できなかった」割合も10.8%と全体平均(22.2%)を大きく下回りました。