物流情報ポータルサイト

25.02.05 企業間取引コールドチェーン/ISO規格(ISO31512)が発行
~日本の国際競争力強化
25.02.05 自動車物流道路/運営事業形態に関し46社が意見提出 25.02.05 JR貨物/3月にダイヤ改正
~モーダルシフト要望に応えて輸送力増強、利便性を向上

最新業界動向:
掲載日:25.02.05

いすゞ/東大に10億円を寄付~トランスポートイノベーション研究センター開設~産学共同で「運ぶ」のイノベーションを加速

 いすゞ自動車(片山正則会長CEO)は、物流・交通分野における研究活動を推進し、「運ぶ」のイノベーションを加速させるため、東京大学(藤井輝夫総長)の東京大学基金に10億円を寄付しました。東京大学はエンダウメント(大学独自基金)型の基金を設置し、基金の運用益などを財源に、「トランスポートイノベーション研究センター」を開設します。
 トランスポートイノベーション研究センターは、2月1日に開設されました。大学院工学系研究科内に専任教員(3人)を選定し、学部生・院生や研究員を受け入れ、今春より本格的に研究活動を開始する予定です。いすゞは技術者を派遣します。東大が上場企業の寄付によりエンダウメント型研究組織を設置するのは初のことです。
 同研究センターは、物流・交通分野の研究・教育に特化した恒久組織として、本郷キャンパス内に置かれます。社会基盤学・都市工学・機械工学・システム創成学などの学問領域を軸に、人工知能(AI)・自動化技術・センシング技術など工学の広い範囲をカバーします。さらに個別の技術の枠を超えて、社会制度設計や政策課題など公民学の領域にまたがる広域での物流・交流分野を取り扱います。
 次世代交通の現場において、コネクテッドトランスポーテーション時代における新たな交通システムの社会実験、さまざまな研究分野が接続するネットワーク型交通の社会実験・研究の実践展開を図ります。物流とそれに関わる物流サービスプラットフォーム、共創物流、物流センシングなど幅広い領域の未開拓・未解決課題に取り組み、豊かな人間活動の将来展望を切り拓くために、社会経済活動の円滑化を目指した研究活動を推進します。
 1月8日に記者会見が行われました。藤井東大総長は「交通と物流、そしてそれらを取り巻く情報や金融・投資といった諸分野の課題に対し、学内のさまざまな知を結集して大きく貢献したい」と話しました。片山いすゞ会長は「『運ぶ』という概念そのものが劇的に変わりつつある。世界で戦うためには、既存事業の延長でない発想が重要。アカデミアとして将来の物流・交通の姿をより見える形にしてもらいたい」と期待を述べました。


藤井輝夫東大総長(左)と
片山正則いすゞ会長CEO