~全国への自動運転輸送ネットワークの拡大に向けて~
NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社である日本通運と、全国通運、日本フレートライナー、日本貨物鉄道、T2の5社は、社会課題であるCO2排出量削減、物流業界の労働環境改善および労働力不足への対策として、将来的な「レベル4」自動運転トラックと貨物鉄道を組み合わせて輸送する「『自動運転トラック×貨物鉄道』モーダルコンビネーション」の輸送モデルを構築するため、実証実験の検討を開始します。
日本の貨物鉄道輸送において全国ネットワークを構築している4社(日本通運、全国通運、日本フレートライナー、JR貨物)に、自動運転トラック技術を有するT2が融合して「自動運転トラック×貨物鉄道」のモーダルコンビネーション(*1)を実現することで、自動運転区間における輸送ルートの複線化を構築し、輸送力の増加や貨物鉄道不通時へのBCP対応が可能となる他、貨物積み替え作業が効率化され、日本における貨物鉄道輸送の可能性が将来に向けて限りなく広がっていきます。
【図:「自動運転トラック×貨物鉄道」モーダルコンビネーションイメージ図 一例】
※以下イメージ図は一例となり、様々な組み合わせがあることから個別顧客に最適な提案を
する想定です。
また、実証実験に向け、スワップボディトラック(*2)と貨物列車の両方に積載可能な31フィートタイプの共用コンテナ(イメージ図)を、T2とJR貨物で共同開発しており、2025年3月末に完成予定です。共用コンテナは貨物列車からスワップボディトラックに直接載せることができ、貨物の積み替え等に要する作業時間を短縮することが可能です。
2025年5月から2025年6月を実証期間とし、関東~関西間はT2の「レベル2」自動運転トラック、関西~九州間はJR貨物の貨物列車を組み合わせ、日本通運、全国通運、日本フレートライナーの貨物を輸送する想定です(対象区間は変更の可能性あり)。
イメージ図:スワップボディトラックと貨物列車の両方に積載可能な、31フィートタイプの
共用コンテナ
【実証概要】
● 期間 :2025年5月~2025年6月
● 対象区間:関東~九州の発着地(オペレーション全体としての対象)
関東~関西:自動運転トラック
関西~九州:貨物列車
● 参加企業と役割:
○ 日本通運:集貨・配達
○ 全国通運:集荷・配達
○ 日本フレートライナー:集荷・配達
○ 日本貨物鉄道:貨物鉄道区間での輸送および検証
○ 株式会社T2: 高速道・専用道での運送区間における自動運転輸送および検証
● 実証内容:
○ 関西の貨物駅でのスワップボディトラックから貨物列車へ共用コンテナの積み替えの検証
○ 関東~九州間トータルのオペレーション検証
○ 輸送リードタイムの短縮検証
※実証実験時の自動運転トラック運行はドライバー乗車のもと行います。
*1 モーダルコンビネーション
単にトラックから鉄道にシフトするのではなく、トラック輸送と鉄道輸送の親和性を高め、
相互に補完するもの
*2 スワップボディトラック
特殊な荷役機器を必要とせずに、トラックの標準装備であるエアサスペンションにより、
車体と荷台を自力で分離することができるトラック
「レベル4」自動運転
特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、
自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態
「レベル2」自動運転
ドライバーの監視のもとに行われる、特定条件下での高機能自動運転