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掲載日:24.12.04
YKK AP/トラック予約受付サービスを全国30拠点で導入完了
YKK AP(本社=東京)は、Hacobu(本社=東京)が提供するトラック予約受付サービス「MOVO Berth(ムーボ・バース)」を全国の製造・物流30拠点すべてに導入しました。同サービスで取得できるデータを活用し、荷待ち時間の削減をはじめとするデータ駆動型の物流改善を加速させ、さらなる物流の効率化に取り組みます。
同社が扱う窓やドア、エクステリアなどの商品は、形態やサイズ、重量が多岐にわたるため、物流オペレーションの効率化は難易度が高く課題も多いです。2016年度から配送効率を高める新型輸送パレットの開発、19年度から荷物をパレット単位で効率的に運ぶユニットロード化の推進、トラックの荷台に効率良くパレットを積むための独自システムの開発など、さまざまな物流改革に取り組んできました。しかし、さらなる効率化を図るためには、データ駆動型の物流改善が不可欠となっていました。
23年11月からムーボ・バースの導入検討を始め、24年1月に2拠点への試験導入、2月から全国への導入を開始し、9月に全30拠点への導入を完了しました。これにより、各拠点での業務フローが統一され、導入初期から効率化を実現しました。さらに、協力パートナーへの予約運用が徹底され、24年9月時点で月間の予約数は2万を超え、予約率は96%を記録しました。
先行導入した東北製造所では、1台あたりの平均荷待ち時間(出荷のみ)が導入時点から43%短縮。荷待ち・荷役時間の管理業務は手作業からデータ化により月間43.4時間の業務削減を実現しました。1人あたりの業務時間(月間160時間)で推定すると、27.1%を削減したことになります。
今後は、蓄積されたデータを活用し、時間帯別の入出荷量分析による人員配置の最適化や、車両滞在時間データを用いた構内レイアウトの改善など、データ駆動型の物流効率化に取り組みます。また、Hacobuが24年8月に立ち上げた「物流ビッグデータラボ」に参画し、蓄積された物流ビッグデータを企業間で共有・分析することで、異業種間での共同輸配送の検討も進めます。
荷待ち時間の大幅削減を実現