物流情報ポータルサイト

24.11.06 三菱ふそう/電気小型トラックを用いた停車中ワイヤレス充電の実証試験を実施 24.11.06 オートストア/冷凍冷蔵機能を追加~国内市場で営業強化へ 24.11.06 Amazon/日本全国15カ所に配送拠点を新設~6県で初の拠点開設~

トップニュース:
掲載日:24.11.06

改正物流効率化法 /荷主・物流事業者の努力義務の判断基準提示~荷待ち・荷役時間・積載率を軸に

 国土交通省、経済産業省、農林水産省は、改正物流効率化法の規制的措置施行に向け、基本方針や判断基準などの案を取りまとめ、公表しました。一般からの意見募集を行った後、冬頃に政省令案を作成し、2025年に順次施行する予定です。物流効率化のために取り組むべき努力義務の判断基準は、積載率向上、荷待ち時間削減、荷役時間短縮を中心に構成しています。

〇規制的措置施行に向け3省で合同会議
 改正物流効率化法(本年5月15日公布)の荷主・物流事業者等に対する規制的措置の施行に向けて、国交省、経産省、農水省の3省は合同で検討を進め、この間、各種業界団体との意見交換やヒアリングを行い、取りまとめ案の公表に至りました。国土交通省の鶴田浩久物流・自動車局長は、9月30日の会見で「50団体以上と意見交換し、素案を提示した後ヒアリングも行い、荷主・物流事業者双方の意見を反映したものとなっている。パブリックコメント(意見募集)を受け、丁寧に議論を進めていく」と語っています。
 取りまとめ案は「公布の日から1年以内に施行される規定」と「公布の日から2年以内に施行される規定」に分かれています。
 「公布の日から1年以内に施行する規定」では、トラックドライバーの運送・荷役等の効率化の推進に関する「基本方針」や、荷主・物流事業者等の判断基準、荷待ち時間・荷役時間の算定方法などを定めます。
 基本方針では、令和10(2028)年度までに、全トラック輸送のうち5割の運行で荷待ち・荷役作業時間を1時間削減し、ドライバー一人当たり年間125時間の短縮を実現すること、そのため1運行当たりの荷待ち・荷役時間を計2時間以内となるよう削減すること、5割の車両で積載効率(積載率×実車率)50%を目指し、全体の車両で積載効率44%への増加を実現することなどを目標に挙げています。
 基本方針の目標達成のために、荷主、連鎖化事業者(フランチャイズ)、貨物自動車運送事業者、貨物自動車関連事業者(倉庫、港湾運送、航空運送、鉄道)のそれぞれに対し、物流効率化のために取り組むべき措置(努力義務)を判断基準として提示しました。例えば、荷主に対して、適切なリードタイムの確保、繁閑差の平準化、出荷・納品日時の分散化、パレットの利用・標準化などを要請しています。
 取り組み状況について、物流事業者(トラック、倉庫)を対象にアンケート調査を行い、荷待ち・荷役時間や積載率の回答を点数化し、公表します。
 「公布の日から2年以内に施行する規定」では、特定事業者(特定荷主、特定貨物自動車輸送事業者など)の指定基準や中長期計画・定期報告の記載事項を定めます。さらに、物流統括管理者(CLO)の業務内容を定めるほか、荷主・物流事業者などの物流改善の取り組みや実施状況について、定期報告書などを基にした物流改善の評価・公表制度を設け、ランク付け(見える化)を行い市場からの評価につなげるとしています。