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NXトピックス:
掲載日:24.10.02

NXHDとNEC、NXグループの拠点に遠隔搬送ソリューションの導入開始~物流課題の解決とともに未来へ向けた新たな価値の共創

 NIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)と日本電気(NEC)は、2020年10月から開始した価値共創に向けた探索プロジェクトを通じて共同でフォークリフトやロボットアームなどを活用した遠隔搬送ソリューション「テレロボフォーク」(注1)、「テレロボハンドラー」(注2)の開発に取り組んでおり、25年の提供開始を目指します。



 NXグループでは、DXを重要課題(マテリアリティ)を推進するためのエンジンの一つと位置付け、デジタルを活用し業務を効率化 · 省人化する「デジタル化」と、未来の柱になり得る事業領域の「DX」を進める、両利きの「DX戦略」を描いています。この「DX戦略」のもと、社会課題に対して継続性・強靭性を兼ね備えたサステナブルなロジスティクスを構築すべく、デジタル化とDXによる事業の改革と創造に向けた取り組みを加速しています。
 NECでは、物流業界においてAIや画像解析技術を活用したDXを推進し、トラックドライバーや物流倉庫内スタッフはじめ物流業界が直面する労働力不足などの課題解決に取り組んでいます。NXグループとの共創を契機に物流業界のDXに貢献するソリューション開発を強力に推進します。
 NXグループとNECは、24年1月よりNXグループの倉庫にて、フォークリフト自律遠隔ソリューション「テレロボフォーク」の実証検証を開始しました。今後、NXグループ国内5拠点を対象に運用検証を展開していきます。
 「テレロボフォーク」は、既存のフォークリフトに、レバー、ハンドル、ペダルを制御するアクチュエータと、カメラや高精度センサLiDARなどを後付けすることで自律遠隔制御対応を実現するとともに自律、遠隔、搭乗の3つの操作モードを簡単に切り替えることが可能となります。
 倉庫内の映像データをもとにシミュレーションを行い、輸送ルートを自動設計します。自律制御時には、フォークリフトに搭載したカメラやLiDARなどでセンシングした周辺の状況をもとにリアルタイムにルートの見直しを行います。また、搬送ルート上の障害物や人などへの衝突リスクを把握して、フォークリフトの速度を制限速度内で自動調整します。全てのフォークリフトのカメラ映像やセンサ情報をクラウドに集約し分析、制御することで、フォークリフトを倉庫外からも管理・操作が可能です。
 また、遠隔からの作業指示によりロボットアームの動きを制御できる「テレロボハンドラー」についても、24年中にNXグループの倉庫にて実証検証を開始することを予定しています。
 「テレロボハンドラー」は、ロボットアームを活用して複数のパレット、カゴ台車への仕分け、隙間ない積み付け・積み替えなどを、離れた場所から作業することが可能となります。事前のプログラミングは不要で、積み付け・積み替え作業の途中でカゴ台車やパレットの位置や物品、仕分け方法が変わっても、GUI操作(注3)などの簡易な遠隔指示により短時間で認識し、迅速な作業の再開を実現します。工事不要で設置でき、異なる作業場所へ簡単に移動させることもできます。


「テレロボフォーク」

「テレロボハンドラー」


 遠隔搬送ソリューションは、作業の効率化にとどまらず、オペレーションの常識の変革や、距離と時間のギャップの解消、労働力確保、マーケットの変革、作業スタッフの働き方の変革など、多岐にわたる変革をもたらします。デジタル技術を活用することで、DXによる新たな価値の創造につなげていきます。
 今後両社は、遠隔搬送ソリューションのさらなる技術・安全性の向上に努め、25年に事業化し、サービスの提供を目指します。

 紹介動画URL:
 https://api01-platform.stream.co.jp/apiservice/plt3/NDA3OQ%3d%3d%23NDEz%23280%23168%230%2339E220D9E000%23MDoyOjc6YTpmOzEwOzEwOzEw%23

(注1)(注2)テレロボは、テレプレゼンスロボットの略称
(注3)グラフィカルユーザーインターフェース。コンピュータ画面上で、
    マウスやタッチパネルを用いて画面上のアイコンや画像を直感的に操作・指示可能な環境