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NXトピックス:
掲載日:24.07.03

日本通運/北海道向け医薬品の海上輸送サービスを拡充
~取り扱いの1/3を海上輸送へ切り替えモーダルシフトを加速、2024年問題に対応

 NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社である日本通運は、2024年6月から東京発、北海道向けの医薬品海上輸送サービスを拡充しました。北海道向けに輸送する医薬品の取り扱い3分の1(※1)を海上輸送(北海道航路:東京発苫小牧向け)に切り替えます。モーダルシフトを加速し、2024年問題に対応した更なるサービスの安定供給と、CO2排出量の低減に取り組みます。


苫小牧港に停泊するRORO船「ひまわり8」


【背景】
 NXグループは、長期ビジョン実現のため「持続的成長と企業価値向上のためのサステナビリティ経営の確立」を推進しています。トラック中心の輸送形態から鉄道・船舶を利用した輸送形態へのモーダルシフトを積極的に進め、複数の輸送モードを組み合わせた柔軟なロジスティクスソリューションの提供と、顧客のCO2排出量削減に貢献するサービスの創出に取り組んでいます。また、2024年4月から適用されたトラックドライバーの時間外労働規制強化による労働力不足も見込まれ、長距離トラック輸送についても大きな課題となっています。
 このような状況の中、日本通運は、医薬品の安定供給と社会課題へのソリューションとして、東京発、北海道向け医薬品輸送の海上輸送サービスを拡充しました。医薬品輸送の選択肢を増やすとともに、トラックドライバーの拘束時間と運行距離を大幅に短縮します。また、環境負荷の少ない船舶輸送を採用することで、CO2排出量の削減にも貢献します。

【サービス概要】
 これまで、東京から北海道への医薬品輸送は、トラックで八戸港や青森港まで運び、ドライバーもフェリーに乗船、苫小牧港や函館港に到着後、同じドライバーがトラックで配達先まで輸送するのが一般的でした。新たに6月から開始したサービスでは、東京港から貨物を積んだトラックのみをRORO船(※2)に乗せ(無人航送、製品の積み替えは不要)、苫小牧港で下船後、苫小牧支店の自社ドライバーが道内の輸配送を担当します。また、室温(15~25℃)と保冷(2~8℃)の2つの温度帯の輸送にも対応し、輸送中の温度、位置、物流ステータスなどのデータもタイムリーに提供することが可能です。今後、北海道向けに輸送する医薬品の取り扱い3分の1を同サービスに切り替えます。

【モーダルシフトによる効果】
・輸送の選択肢を増やすことで、医薬品の安定供給に貢献
 →悪天候などにより、高速道路や鉄道が使用できない場合のBCPとして活用可能
・トラックドライバーの負担軽減により労働環境を改善し、持続可能なサービスを提供
・これまでのトラック輸送サービスと比較して、CO2排出量を60%以上削減(※3)

(※1)日本通運の東日本医薬品センターから北海道向けに発送される
    医薬品の取り扱い3分の1を対象
(※2)「RORO」は「Roll on Roll off」の略称で、トラックの乗り込み=Roll on(ロールオン)と
    下船=Roll off(ロールオフ)の意味。貨物を積んだトラックやシャーシ(荷台)ごと
    無人航送する船舶のこと
(※3)NXグループのCO2排出量可視化ツール、「エコトランス・ナビVer2」による試算